【毎日1,000字チャレンジ9日目】転落・恋人・知識【小説練習】
こんにちは。
夢の印税生活を目指し、ライトノベル作家を志すしかたなすびです。
文章力を向上させるため、毎日1,000字以内で短編小説を書くことを目標にしました。
名付けて、毎日1,000字チャレンジです。
今日で9日目です。
まずは簡単に私の自己紹介を……
- アラサー男性
- ファンタジー小説好き
- 愛読書は週刊少年ジャンプ
- 仕事嫌い。飲み会嫌い。
- 今まで小説は書いたことないけど、なんとなく自信がある
ルールは、キーワードを3つ用意し、それを満たす物語とします。
今日のキーワードは、「転落」「恋人」「知識」です。
お暇でしたらお付き合いください。
転落・恋人・知識
「ねえ、いったい何が起きているの?」
妻の香苗が言った。いや、今は恋人か。
「おそらく、これは走馬灯だと思う。よく言うだろう? 死ぬ直前に、これまでの人生を一気に追体験するようなことがあるって。一説には、死を回避するために脳が過去の体験を思い出して、そこから打開策のための知識を見つけようとしているんだって言うんだけど。」
俺たちはデートでいつも来ていたカフェにいた。薄暗い店内には穏やかなジャズがかかっている。目の前の木製のテーブルには、ブラックのコーヒーが湯気を立てて置いてあった。俺はいつもここで新聞に目を通していた。握っている朝刊の日付は、ちょうど1年前のものだった。
「ちょっとよくわからないわ。私たちはフランス旅行中だったわよね?」
「うん。」
「で、せっかくだから、あの有名な映画の舞台になっていた塔にのぼってみようって言って。」
「そうだね。」
「屋上についたら急にカミナリが落ちてきて、火が出て、人がたくさんいて、もうどうしようもなくなって、塔から転落しちゃって。」
「わあ、俺の記憶とおんなじだ!」
俺はふざけて言ったが、反応はなかった。香苗は口をパクパクとさせて、いくつかの言葉を飲み込んでから言った。
「じゃあ、現実の私たちは今も落ち続けているってこと?」
俺も現状がわかっているわけじゃない。どうして走馬灯なのにこうして記憶にない会話を香苗としているのか。どうして1年前なんだとか。なんて言っていいかわからず、会話が途切れてしまった。ややしばらく重たい空気を味わってから、俺は言った。
「まあ、ポジティブに考えるなら、今のうちに2人で対策を考えられるってことさ。」
「対策って、あんな高さから落ちたら助からないわ。」
香苗は今にも泣きだしそうだった。俺は香苗を悲しませたくないがためだけに、思いつくままに話し続けた。
「5点着地法って知っているかい? 漫画で読んだんだけど、落下の衝撃を体のあちこちに分散させて和らげるために、体をひねって転がるように着地するんだ。技術がいるみたいだけど、俺たちが助かる方法がないわけじゃないと思うんだ。」
俺はポケットにあったスマホを操作し、「5点着地法」と検索して香苗に見せてやった。
「早速練習してみよう。」
近くの公園に移動し、俺はジャングルジムの上に立った。
「ケガしないでね。」
香苗は俺を見上げながら声をかけた。
俺は軽やかにジャンプした。
気づくと俺は、2年前に来ていた。俺は焦った。今度は香苗がいなかったのだ。
以上、1020字
感想
「5点着地法」は漫画『バキ』で知りました。
ちなみに私は、『バキ』では「愚地克巳」対「ピクル」戦が好きです。
20文字分オーバーしてしまいました。
文字数が足りず、駆け足気味の結末です。
もっと推敲すれば、前半をかなり短縮できますね。
でも、9日目にして小説っぽくなってきたような気がします!
私、成長してますね!