しかたなすびの読書記録

ー夢は莫大な不労収入ー

【毎日1,000字チャレンジ15日目】さよならを言う・うぬぼれ・被害者意識【小説練習】

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こんにちは。

夢の印税生活を目指し、ライトノベル作家を志すしかたなすびです。

文章力を向上させるため、毎日1,000字以内で短編小説を書くことを目標にしました。

名付けて、毎日1,000字チャレンジです。

今日で15日目です。



まずは簡単に私の自己紹介を……

  • アラサー男性
  • ファンタジー小説好き
  • 愛読書は週刊少年ジャンプ
  • 仕事嫌い。飲み会嫌い。
  • 今まで小説は書いたことないけど、なんとなく自信がある



ルールは、キーワードを3つ用意し、それを満たす物語とします。

今日のキーワードは、「さよならを言う」「うぬぼれ」「被害者意識」です。

お暇でしたらお付き合いください。



さよならを言う・うぬぼれ・被害者意識

 彼はひどく緊張しているのか、先ほどからネクタイの曲がりをしきりに気にして両手でいじくりまわしている。
「私は、おそらく世界で一番不幸な男なんじゃないかな。」
 そういう目の前に座る男は、なぜか少しだけ得意になって言った。世界で一番はうぬぼれだろうよと私は思ったが、口には出さなかった。
「みんなが私を攻撃するんだ。私は何もしていなのにだよ。ほら、これを見てくれよ。」
 右手の親指を立て、軽い調子で背後を示す。
 彼の背中には、長短さまざまな10本の剣が突き刺さっていた。
「今朝なんか、たまたま会った同級生と再会をして楽しく語らっていたのに、さよならを言った途端に『グサッ!』だよ。ひどいもんだ。」
 私は、肩の辺りに生えている一番短い剣を引き抜こうと手を伸ばした。
「軽々しく触らないでくれ! 僕の傷をなんだと思っているんだ! 僕のことに大して興味もないのに、生半可な気持ちでなんとかしようなんて思わないでくれ!」
「なるほど、あなたのことを大事にしてくれて、あなたの気持ちに寄り添ってくれる、そんな優しい方がお望みなんですね、」
「なんだ、よくわかっているじゃないか。」
 私は条件に合う人物の当たりをつけ、手持ちの資料から1枚の紙を取り出して彼に見せた。
「この方はいかがでしょうか。まずは会ってみましょうか。きっとお似合いだと思いますよ。」
 彼は資料を食い入るように見つめ、隅から隅まで確認した。その間も落ち着きがなく、体を前後に揺らしている。今にも泣きだしそうな顔をしていた。私のコーヒーが半分以上も減ってきた頃、彼はようやく顔を上げ、小さく頷いた。
 私は電話をとり、控室の番号をコールした。

「こんにちは。初めまして。」
 栗色の髪を後ろでまとめた、小柄で優しそうな雰囲気の女性が入室してきた。
「こちらこそ、どうも初めまして。」
 彼は必要以上に胸を張り、立ち上がって手を差し出した。彼女はそれに応じて握手した。固い握手であったが、彼女の目は彼の背中に向いていた。
「ところでそれ、重そうで大変ね。」
 女性は握った彼の手を力強く引っ張り、背中を向かせるとあっという間に10本の剣を引き抜いてしまった。カランカランと剣が乾いた音を出す。
 彼の背後に立っていた私は振り向かされた彼の驚いた顔と目が合って、優しい良い人で良かったじゃないかと、にこやかな笑顔で応じた。



以上、941字



感想

タイトルは、結婚相談所です。

なんだか、タイトルをつけると落ちのネタバレのような気がしてきました。

でも、タイトルをつけないと落ちがよく伝わらないような気もして。

難しいですね。

明日もまた頑張ります。


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