【エッセイ】星野源の『よみがえる変態』を読んで前向きになれた
星野源の『よみがえる変態』を読んだ。
びっくりするぐらい面白かった。
『逃げるは恥だが役に立つ』で名前が売れたから本でも出したんだろ、と思って読み始めたのだが、ところがどうしてめちゃくちゃ面白い。
映画で童貞の役を演じたときの話。
アルバム制作に込めた熱意。
そんな話が綴られていて、毎日数時間しか寝れないほど忙しくて体がしんどいはずのに、もっといろいろやりたい! という前向きな気持ちが伝わってくるエッセイになっている。
そして、俳優であり、歌手であり、文筆家である星野源に、「表現者」って感じがして、軽くジェラシーを感じた。
(何もしていない自分がジェラシーを感じるのもおこがましいのだけれど笑)
感じた気持ちを飾らないで表現しているこのエッセイを読んで、「私もなんかやってみよう!」と思ったので、とりあえずブログで感想を書いてみた。
好きを仕事にしている
芝居が好き。
音楽が好き。
文章を書くことが好き。
そんな気持ちがたくさん伝わってくる。
羨ましいなぁと思う反面、私はもっと楽して生きたいなぁと思った。
好きなことを仕事にしたとしても、日々それに全力を出して生きるのは大変だと思う。
私にもそれほど情熱を傾けられるものはあるだろうか、と考えたけど……一個も思いつかない。
ゲーム、読書、ブログ、文章を書くこと、どれも暇な時間にやるから楽しいんだよね。
星野源みたいに、深夜に、あと二時間で仕事に出かけなきゃ、なんてシチュエーションでは楽しんで文章なんて書けるわけがない。
星野源は変態だ。
人付き合いが下手と言いつつ
小学生の頃は自閉気味で、人と関わらないように生活していたと書いてあった。
家族でハワイ旅行したときも、外に出ないで部屋にこもっていたというんだから相当なものだ。
それなのに、演劇をやったり、音楽をやったり、仕事のつてを得るために飲み会に参加したり。
私も人見知りで人となるべく関わりたくないと思って生活しているので、共感できるところは多いけど、星野源みたいに頑張って他人と関わっていこうとするのは尊敬できるほどすごいことだなと思った。
たぶん、飲み会とか、本当は行きたくないと思ってるところに、めちゃくちゃストレス高いところに、自分から飛び込んでいってるんだろうなと思う。
すごい。
それはやっぱり、芝居だったり音楽だったり、自分の好きなことを追求するためのエネルギーがそうさせてるのかなと感じた。
すごい。
距離の近さを感じる文章
『よみがえる変態』を読んで、星野源の人となりを知った気になれた。
文章が読みやすくて、読者との距離感が近いんだと思う。そしてたぶん、星野源もそれを意識してかいてるように見える。
エッセイを読んでて、星野源が朗読してくれてるような錯覚を覚えた。
すごい。文章うまい。ジェラシー感じる。
特に、時間の経過の表現がうまい。
例えば、自分の考えたことや主張を書く場合、そこに時間の経過は存在しない。
30秒で考えたことでも、1時間かけて考えたことでも、読者にはその時間の進みがわからない。
けど、星野源のエッセイには、不思議と時間の経過を感じる。
「カップめんが食べたい」と書いたあとに、話が脱線して続き、「あ、今食べ終わりました。」みたいに話が進む。
なんだか同じ時間を共有している気持ちになった。
すごい。
まとめ
星野源のことが好きになれる、そんなエッセイだった。
エッセイ最後の方では彼の病気のことが書かれていた。
当時はつらい体験だっただろうに、すごく前向きに書かれていて、彼の「人生を楽しむ」という哲学が伝わってきた。
私も好きなことに打ち込む時間を大切にしようと思った。