【毎日1,000字チャレンジ7日目】クリエイティブになる・所有欲・探検【小説練習】
こんにちは。
夢の印税生活を目指し、ライトノベル作家を志すしかたなすびです。
文章力を向上させるため、毎日1,000字以内で短編小説を書くことを目標にしました。
名付けて、毎日1,000字チャレンジです。
今日で7日目です。
まずは簡単に私の自己紹介を……
- アラサー男性
- ファンタジー小説好き
- 愛読書は週刊少年ジャンプ
- 仕事嫌い。飲み会嫌い。
- 今まで小説は書いたことないけど、なんとなく自信がある
ルールは、キーワードを3つ用意し、それを満たす物語とします。
今日のキーワードは、「クリエイティブになる」「所有欲」「探検」です。
お暇でしたらお付き合いください。
クリエイティブになる・所有欲・探検
くすんだ赤い外套を羽織った男が、高台の丘から港街を見下ろしていた。壮年と言ってよい年齢のその男は、右手に背丈よりも頭2つ分ほど長い杖をつき、あと1歩でも踏み出せば落ちてしまいそうな位置で崖に立っていた。
海は夕陽のオレンジに染まっている。行き交う船はすべて彼の所有物。乗組員もすべて彼の従業員。
「社長、探検の準備ができました。」
真っ赤な旗を持ち、1隻の船と何やら信号を送りあっていた従業員が、男に報告した。
「よし、それじゃあ顧客にとびっきりの探検を提供して差し上げろ。」
社長が言った。従業員は、大きく円を描くように2回、手旗を振り回した。
突如、沖合に潜水艦が現れた。帽子に赤い羽根飾りをつけた若者は、その瞬間を逃さず船上で見ていた。右手は隣の女性の腰を抱いている。女性はうっとりと夕陽を眺めているところだった。
「危ない!」
誰かが叫んだ。轟音とともに、船の周囲で複数の水柱が上がる。船が大きく揺れた。
「魚雷だ!」
にわかに慌ただしくなる船上で、若者と女性は乗組員の誘導に従って避難を開始していた。2人は船室の一角に固定された脱出ボートに乗せられ、待機を指示された。
「大丈夫。君の安全は僕が保証する。」
若者は、半狂乱になっている女性を落ち着かせようと、手を握りながら穏やかな口調で語り掛けていた。
「今なら安全に逃げられると思うんだ。でも逃げる先はきっと外国だと思う。僕と一緒に外国に逃げてくれないだろうか? 君のお父さんは反対したけど、僕は君と一緒になりたいんだ。」
女性はあまりよく考えられなかった。どうして安全に逃げられると思うのか。逃げる先はなぜ外国なのか。今はそれどころではないのでは。けれども頭に浮かぶ考えは、ついには言葉にならなかった。
若者は、女性の目をまっすぐ見ながらささやく。
「愛してる。」
2人は手を重ね、脱出ボートの緊急ボタンを同時に押した。
ボートは船から射出され、大海原に漕ぎだした。
若者とその会社との間の契約期間は3年。今後2人には、あらゆる安全な探検がクリエイティブされることになっている。
船上の乗組員が、赤い手旗信号を5回、円を描くように振り回した。
以上、851字
感想
最初、「探検をクリエイティブする」という言葉を思いつきました。
そして、「探検をクリエイティブ」したうえで、フラッシュモブみたいな告白シーンを描こうと思ったら……こんな風になってしまいました。
女性は契約内容を知ることはありません。
若者は変態的というより、犯罪的ですよね。
もっと甘いラブロマンスを描いてみたいです。